「出たー?」「まだー」「出たー?」「まだー」

(しんちゃんのnoteから)

こどもの遊びをよく見て、観察するのが好きだ。


田んぼの水路に近くの葉っぱをちぎり、流し始めたAくん。葉っぱが流れるのがとても楽しくなり何度も流して遊ぶ。僕は、その様子を「お、楽しいこと見つけたな◎」と、そばでニヤニヤ観察。


流れる葉っぱを追いかけると、トンネルに吸い込まれていく。反対側で待ち受けると、流れる葉っぱに再度出会う。そこでまた嬉しそうな顔。それを見て、「何か気づいたな。」と感じる。


今度はお母さんを呼んできて、反対側にいてもらうようにするAくん。

それで、また葉っぱを流して、今度はお母さんに問いかける。


Aくん「出たー?」お母さん「まだー。」

「出たー?」「まだー。」「出たー?」「まだー。」「出たー?」「出たー!」


2人の掛け合いが始まった。


それを見てまた「いいなー◎」と。

ひとり遊びの気づきから、次のステップへ。


このお母さんのリアクションが秀逸で、何度も繰り返すAくんの「まだー?」に毎回「出たー!」と嬉しそうに反応していて、それもすごく良かった◎


何度も繰り返していると、Aくんも楽しくなってきて、どんどん葉っぱのちぎる量が増えていく。小さな手と指を上手に使いながら、どうやったら一度にたくさんちぎれるか、たくさん持つことができるか工夫している様子に見えた。


「うんうん。育ってる育ってる。」って想う僕は、隣でニコニコ見てるだけ笑


Aくんが楽しそうに葉っぱをちぎる隣で、今度はBちゃんも真似して遊びだした。彼女はひとりで黙々と葉っぱをちぎり、流していく。Aくんと話す訳でもなく、Aくんのお母さんに問いかけるわけでもなく。「きっとこの距離感がいいんだろうなー。」って感じで集中して草をちぎり、流していくBちゃん。


同じことしてるけど、一緒に遊んでるわけじゃない。直接関わりあってはいないけど、影響しあってる。そんな風景。


Aくんは、ひとしきりその遊びをやりきると、満足した姿で、次の場所へ歩きだしていった。最後まで付き合ったお母さんえらい◎


こういうこどもの遊ぶ姿を通して、ちいさいけれど、確かにそこにある育ちを見つけて、いちいち感動するのが好きだ。これだから森のようちえんはやめられない。

保育とデザイン hitotoki

福井県で、こども向けの自然体験の企画とデザインをしています。

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